日本最初のソープランド(トルコ風呂)は、1951(昭和26)年4月にできた「東京温泉」だと言われています。
(※「ソ―プランド」という名称は、1984(昭和59)年12月にできたもので、それ以前は「トルコ風呂」の名で親しまれていました)
【 「トルコ風呂」の伝来 】
ソープランドの元になった「トルコ風呂」は、“上海にある、女性がマッサージをしてくれる蒸風呂”として、昭和の初め頃から知られていました。
「トルコ風呂」という名前の由来は、
1.中東地方で古くから親しまれている「ハマム」という公衆浴場では、蒸風呂の中で垢すりのサービスが行われていたこと
2.昭和の初め、日本でよく知られている中東の大国は「トルコ」であったこと
という説が有力です。
【 日本最初のトルコ風呂(ソープランド) 】
日本最古の「トルコ風呂」は、1951(昭和26)年4月1日に東京の東銀座に開店した「東京温泉」だと言われています。
「東京温泉」の経営者は、かつて射撃の日本代表にもなった許斐氏利で、海外のスチーム・サウナに感銘を受けて「トルコ風呂」を始めたそうです。
「東京温泉」は、許斐氏利が感動した「サウナ」をメインにした営業方針で、女性スタッフによるマッサージはあくまでも「普通のサービス」でした。
現在のソープランドでは、「マッサージを含む性的なサービス」をメインに営業をしています。しかし「東京温泉」では、こうした性的サービスはご法度とされていました。
【 「おスペ」の流行とトルコ風呂の発展 】
昭和30年頃になると、性的なサービスを売りにするトルコ風呂が増えました。
中でも、男性客の性器を手でマッサージする「スペシャルサービス(略しておスペ)」は大人気で、「ミス・トルコ」と呼ばれる女性スタッフの知名度も上がりました。
また、1958(昭和33)年に施行された売春防止法により、赤線区域(売春が黙認された特殊飲食店街)が廃止され、赤線で働いていた女性たちがトルコ風呂へと流れて行きました。
こうして、トルコ風呂業界はますます活気づきました。
現在でも大きなソープ街が旧赤線区域に多いのは、このためです。
【 「トルコ風呂」から「ソープランド」へ 】
トルコ風呂の流行は、新聞や週刊誌などで、世の中に広く知られるようになりました。
しかし、日本に住むトルコ国民にとっては、性風俗店に母国の名前が使われることに抵抗や反発がありました。
元々、「トルコ風呂」という名称は、トルコの国とは全く関係がありません。
1984(昭和59)年には、トルコ人留学生が当時の厚生省に「トルコ風呂」の改称を求める訴えを出しました。
この問題を受け、「東京都特殊浴場協会」は新しい名称を公募し、同年の12月に「トルコ風呂」は「ソープランド」へと改名しました。